[No.258-2]続・ハズレの景品
No.258-2
「ふぅ~、ようやく片付いたわね」
改めて部屋の広さに驚く。
「こんなに広かったの?」
「そうみたいね」
ビフォーを知る咲(さき)も同感のようだった。
「本当なら私じゃないほうが良かったでしょ?」
「・・・正直、そうかもしれない」
彼とふたりで部屋を出ることだって有り得た。
そう望まなかったわけでもない。
「でも、ひとりになっちゃったからねぇ~」
自分でも意識して明るく振舞った。
「無理しちゃって」
「分かるぅ?」
ただ、ここまでが限界だった。
明るく振舞えば振舞うほど、涙が出そうになる。
「・・・ひとりじゃないよ」
「うん、今日来てくれてありがとう、咲・・・」
「・・・バカね、私じゃないわよ」
咲の言葉に一瞬、ご本人登場・・・のテレビ番組を思い出した。
「さすがに、それはないよ」
「・・・そうよね」
「ほら、それそれ!」
咲がポインセチアの鉢を指差す。
そうだ・・・彼との想い出が詰まったポインセチアと部屋を出よう。
(No.258完)
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