[No.255-1]個性
No.255-1
登場人物
=牽引役(女性)=相手(男性)
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「あれ・・・何してるのかな?」
ドライブ中に立ち寄ったパーキングエリアでの出逢いだった。
「どうした?」
「ほら、あの猫・・・」
食堂脇に一匹の猫が座っている。
シチュエーション的に、“出待ち”していると思われる。
「実家で飼っていた猫と同じだ」
「・・・そうなの?初めて聞いた・・・」
今まで猫の話題が出なかったとは思えない。
けど、そこまでの話はしていない可能性もある。
「何か問題でも?」
「そうじゃないけど・・・」
意外な場所、意外な出逢いで、意外な事実を知った。
そうこう話をしているうちに、猫にすり寄っていたからだ。
「好きだったの・・・猫?」
「嫌いか?」
好き嫌いじゃなくて、知らなかったことが心に引っ掛かった。
(言ってくれても・・・)
私の気持ちを察するわけでもなく、彼は猫とじゃれ付いている。
「かわいいぞ」
別にかわいくないとは思っていない。
(・・・ん?やだぁ・・・)
気付けば猫の顔は目やにで、やけに汚れていた。
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