[No.251-2]恐怖の日曜日
No.251-2
「寝込んだ初日が日曜日だったの」
「数日間寝込んだ・・・だったよな?」
言う通りだ。
月曜日も、火曜日も同じ環境で寝込んでいた。
でも、あることが違った。
「ある・・・こと?」
「そう・・・それが怖かったの」
日曜日は朝から静かだった。
草木がこすれる音は、それが風の音だとわかるくらいだ。
でも、しばらくすると・・・。
「近所の友達とかの声が聞こえだしたの」
まどろみの中で、子供のはしゃぐ声が聞こえる。
近いような、遠いような・・・距離感がつかめない。
「・・・それが恐怖・・・?」
「そうよ」
彼がもう一度、キョトンとした顔をする。
恐らく誰もがこんな反応を示すだろう。
だからこそ、納得させられる説明も理由もない。
「今でも、時々似たようなシュツエーションがあるわ」
大人になっても、その感覚が残っている。
さすがに怖くはないものの、独特の違和感は感じる。
「ねっ、意味不明な話でしょ?」
「そうだな・・・でも、試してみる価値はあるな・・・隣に寝ていい?」
「となり?隣・・・!?」
「もぉ!知らない!」
(No.251完)
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