[No.247-2]BGM
No.247-2
「ふ~ん・・・ズバリ!失恋した・・・違う?」
「・・・違う」
やせ我慢でも何でもない。
今の私は、失恋のしようがないからだ。
「ただ、その曲を聴きたいと思っただけ」
なぜ、その曲を選んだのかは分からない。
心境なんてそんなものだ。
「だったら、やっぱり服と同じだよ」
さっき広がらなかった話にもう一度戻った。
「じゃあ、さぁ・・・今日、どうしてこの服を選んだの?」
「そ、それは・・・」
恋人も意中の男性も今は居ない。
だから、異性の目を気にすることもないが・・・。
「特に理由はないけど」
さすがに前の日と同じだと、あらぬウワサが広まる。
「あなたの場合は、広がったほうがいいけどね」
「言わないの!」
服の話と曲の話が入り乱れて混乱し始めた。
「私は意中の男性の目を気にしてるわよ」
「そう?じゃ、朋子(ともこ)にはこの曲を贈るわ」
もう一度、朋子の耳にヘッドホンを押し付ける。
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