ホタル通信 No.064
小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。
小説名:No.054 デジャブ
実話度:★★★☆☆(60%)
語り手:男性
手前味噌で恐縮ですが、“冬のホタル”らしい作品です。初期の作品に見られた、ちょっと物悲しさが漂っています。
前半はほぼ事実ですが、後半に繋がる“実家跡に行くこと”については創作です。従って、後半はほぼ事実ではありません。
ですが、“行こう”としていたのは事実で、それが叶わなかったということになります。
由貴が小さい頃の話をする時、決まって出てくる実家。
でも、楽しかった想い出が語られることは決してありませんでした。
詳しくは書けませんが、それこそ今でいうワンルームに、親子3人、それも年頃の女子ともなれば、その心境は聞かずとも察することができます。
加えて例の大震災が発生。家を失い、両親こそ健在でしたが、大勢の尊い命が消えるのを目の当たりにした現実。
過ぎたこととは言え、掛ける言葉が見つからなかったことを今でも覚えています。
後半は前述通り創作です。
もし、彼女と出掛けていたら・・・との想いを形にしています。この話の雰囲気ほど、由貴は暗い過去とは思っていないようでした
小説に書いた通り、悲しむわけでもなく、笑い飛ばすこともなく冷静に振り返っていたことが印象的でした。
これらの経験が衣食住の特に“住”へ執着を持つようになって行きました。
その執着をヒントにした話も書いています。直接的ではないかもしれませが・・・探してみてください
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