[No.244-2]ニアミス
No.244-2
「ニアミス・・・だったね」
正しくは、ニアミスに成りかけた・・・と、いうべきだろう。
運よく、未遂で終ったのだから。
ただ、今回は妙にピタリと当てはまる言葉だ。
「でも、よく思い出したな」
「なんか嫌な予感がしてなぁ・・・場所を決めた後」
女の勘というべきだろうか。
それとも、動物的に危険を察知したとか・・・。
「とにかく、良かったよ」
いずれにせよ、事故は起こらなかった。
それで十分だ。
「・・・で、なんで待ち合わせ場所をここにしたの?」
「なんでって・・・」
「ほら、相当離れているだろ?家から」
自分で疑問を投げておきながら、自分で答え見つけた。
「・・・そっか、離れているほうが、出逢わないよな」
そう、単純なことだ。
「そうともいえへんやろ?」
珍しく僕の意見に反論する。
「どんなに離れていても、出逢うこともあるやん?」
「うちらのように」
「・・・だな」
「それじゃ、レッツ・ゴォー!」
待ち合わせ場所をなぜここにしたかは、すぐに分かった。
「ここにも、沢山売ってるんだな・・・リラックマが」
(No.244完)
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