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[No.241-1]糸

No.241-1

登場人物
=牽引役(女性)=相手(女性)
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糸っておもしろい。

例えば、運命の赤い糸。
赤い糸につながれた二人が出逢うべくして出逢う。
見えない糸をまるで手繰り寄せるかのように・・・。

例えば、緊張の糸。
ひとつのミスも許されないピンと張り詰めた心。
でも、ひとたび切れてしまうと・・・。

例えば、絡み合った糸。
気づけば糸って案外、複雑に絡み合っている。
決して、そんな気はなかったのに・・・。

糸って、人との繋がりや心境をうまく代弁してくれる。

「蜘蛛の糸はどう?」

友人が私の話に付け加える。
あの有名な小説に出てくる、蜘蛛の糸のことだろう。

「そうね、一筋の希望・・・と言ったところね」
「でもさぁ、どうしたの急に?」

友人が言うのも無理はない。

「最近、色々あってね」

考えごとをしている内に、少し深みに入ってしまった。

「哲学者みたいよ」
「そう見える?」

たまにはそんな気分にもなる。

(No.241-2へ続く)

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