[No.240-2]平行線
No.240-2
「かげでコソコソ動いてるんじゃない?」
(最近、休み時間に居ないのはそのせいね・・・)
隠れて勉強しているに違いない。
私を油断させておいて、一気に引き離すつもりだ。
「多分、2-Cに居ると思うよ」
「2-C?」
(なんでだろう・・・あっ!)
そう言えば、幼なじみが居ると聞いたことがある。
それも、こちらとは違い学年で1、2を争う秀才だ。
「・・・あの子に教えてもらってるのね!」
「教えてもらってる?変なこと言うわね」
若干、冷静さを失い、クラスメートの言葉に反応できずにいた。
「私にもその情報教えてよ!」
急にライバル心が芽生えてきた。
今までもなくはなかったが、こと勉強に対しては初めてだ。
「いいけど・・・」
「多分、勘違いしてるわよ」
友達のまま、平行線を長く保つ・・・。
告白し、交差する・・・でも、別れたら二度と交われない・・・。
亜矢(あや)が、そんなことを言っていたらしい。
「これで2-Cに居る理由が想像できない?」
「友達・・・告白・・・2-C・・・あぁ!」
大急ぎで、彼への告白を阻止しに向かった。
(No.240完)
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