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[No.240-1]平行線

No.240-1

登場人物
=牽引役(女性)=相手(女性)
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「平行線・・・交差・・・」

休み時間にもかかわらず、勉強熱心なクラスメートだ。
数学らしき言葉が途切れ途切れに聞こえてくる。
そう言えば、もうすぐ試験も近い。

「ねぇ、ねぇ!それってどこからの情報?」
「情報?」
「だって、ほら、平行線とか・・・」

ただ、ひとつ気になるところがある。
そもそも試験に出るような範囲ではない気がする。

(まぁ・・・真剣に授業を受けてなかったけど)

自分が知らないだけかもしれない。
実際、そうだったことが何度もあるからだ。

「言うなれば、亜矢(あや)からの情報かな?」
「亜矢?珍しいわね」

なにせ、亜矢とはクラスでも1、2を争っている。
もちろん、悪い方で・・・だ。

「急にやる気出しちゃって・・・どうしたのかな?」
「やる気・・・?それより、まずいんじゃない?」

そうだ・・・まずい。
亜矢がその気になれば、クラスの最下位がいつも私になる。
それはなんとしても避けたい。
私にだって、それなりのプライドはある。
レベルの低いプライドかもしれないが・・・。

「それで、亜矢は今どこに居るの?」

授業の開始まで待てない。

(No.240-2へ続く)

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