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[No.238-1]なんだよ・・・。

No.238-1

登場人物
=牽引役(男性)=相手(女性)
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「なんだよ・・・」

通用口を一歩出た途端、静かな夜がざわめき始めた。
急いで中へ戻り、置き傘を取りに戻った。

俗に言われる雨男、雨女・・・。
そこには科学的な根拠はない、単なる偶然の産物だ。
でも、それが何度か続くとそう思いたくもなる。

「もともと降り出しそうな空なんでしょ?」

それは間違いない。
晴天時に雨雲を呼んでくるほどの力は持ち合せていない。

「でもなぁ・・・これで4回連続なんだよ」
「4回?それなら、まだまだ偶然の範囲よ」

そこに数学的な根拠があるとは思っていない。
ある意味、慰めも含めた発言と捉えている。

「それに、記録更新中なんだぜ」

昨日、雨を呼んだ・・・それで4回目だった。
予報では今日も天候は不順だ。
今の所、雨が降っていないから余計、心配になる。

「子供じゃないんだから・・・」
「別に、雨が嫌いとか、怖いとかじゃないよ」

ただ、外に出るのは怖い。
出た瞬間、ポツリポツリ・・・と雨に打たれでもしたら・・・。

「たかが雨でしょ?」
「それとも雨男、決定!が気に入らないわけ?」

「一般的には好かれないだろ?」

特に、屋外のイベントには呼ばれない。
いや・・・もう既に呼ばれていないような気がする。

(No.238-2へ続く)

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