[No.236-1]朝靄のユーロスター
No.236-1
登場人物=牽引役(女性)
=相手(女性)
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大きな鞄を手に、駅のホームに立つ。
乗り換えのため待つのは、山吹色が眩しいユーロスターだ。
(でも、私はどこに行こうとしているのだろうか?)
それ以前に、どうしてここに居るのかさえ分からない。
『・・・行きは、2番線に到着致します』
頭の中では、日本語として理解している。
でも、スピーカーからは聞いたことが無い言葉が流れている。
(少し前まで誰かと居たような気がする・・・)
なぜだか、とても大切なことを思い出せない。
「ねぇ、どう考える?」
「いきなり、意味深な夢ね」
初夢の内容を友人に聞いてもらった。
言葉通り、新年早々、意味深な夢を見た。
「夢って、今の心境を代弁するじゃない?」
「・・・だから?」
「今の心境が、その夢って、ことかな」
夢は何でもありの世界で、平気で理不尽なことが起こる。
その割に今回の夢は、ストーリー仕立てになっている。
「雰囲気的に、これから旅立ち!って、感じよね」
「・・・で、続きを聞かせてよ」
残念ながら駅で待っている時に目が覚めた。
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