[No.234-2]ハズレの景品
No.234-2
「あれ?まだ枯れてない」
毎日、目にしていたはずなのに、改めて気づいた。
鮮やかな赤が、一向に衰える気配がない。
「2週間は経過したよな?」
「そうね・・・あの日からだと、それくらいよね」
花をもらっても、すぐに枯れるイメージがある。
だから、もらっても仕方がない・・・というのが持論だ。
「でも、何でだろう?」
確かに余っていた花の栄養剤を与えた。
でも、そうとも言えない雰囲気がある。
「知ってる?植物ってね、話しかけると・・・」
聞いたことはある。
「・・・で、話しかけてたの?」
「そうよ、悪い?」
「いや、そうじゃなくて」
朋子(ともこ)の意外な一面を見た。
全く、そんなタイプではないからだ。
「僕もそうしてみるよ」
その日から、僕も積極的に話しかけるようにした。
その赤い花とそして彼女に・・・。
(No.234完)
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