[No.234-1]ハズレの景品
No.234-1
登場人物=牽引役(男性)
=相手(女性)
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正直、僕は嬉しくない。
「えっ!一等なの?」
僕の気持ちとは裏腹に、朋子(ともこ)がはしゃぐ。
引きの強さが今回だけは僕に災いした。
「そんなに好きじゃないだろ?」
「そう?時と場合によるけど」
朋子がくじ引きで一等を引いた。
くじ引きと言っても、商店街の気持ち程度のものだった。
「クリスマスにはお似合いでしょ」
景品として、鉢植えの花を当てた。
鮮やかな赤が印象的だけども・・・。
(これなら2等以下のほうが・・・)
自分的に好みの景品が並ぶ。
安物だと分かっていても、もらえるとなると別だ。
「なに、ボケっとしてるのよ」
僕に鉢植えを押し付けて、歩き出した。
「これ、どうするんだよ」
「どうするって、育てるに決まってるでしょ!」
それから2週間が経過した。
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