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[No.232-1]空のつながり

No.232-1

登場人物
=牽引役(女性) =相手(女性)
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「空って、本当は無いのにね」

早百合(さゆり)が、意味ありげな一言を言い放った。
なんとも、アンニュイな雰囲気をかもし出している。

「それって、クリスマスに彼氏不在だったことが関係してる?」
「言わないの!」

残念ながら、違うらしい。

「その言葉通りよ」
「・・・空が無いってこと?」
「私は、てっきり・・・」

サンタがどこからやってくるのか、正確には知らない。
けど、少なくとも、空を駆け巡っているイメージが強い。
だから、時期的に空・・・サンタ・・・クリスマスと連想した。

実際、クリスマス直前に彼氏と別れている。

「てっきり、クリスマスの恨み節かと思った」
「ふん!それはそれで、もう十分泣いたわ」

目の腫れには、そんな意味があったらしい。
先に聞かなくて正解だった。

「話を戻すけど、空が無いってどういうこと?」
「建物なら屋根があるけど・・・なんて言えばいいのかな・・・」
「空は空間だけ・・・と、でも言えばいいのかしら?」

空と呼ばれる部分は、単に空間でしかない。
暗い宇宙に繋がる途中が、青く見えているだけだ。

「なんでそんなに否定的なの?」
「ひとりで、クリスマスを過ごしたらそうなる・・・あっ!」

やっぱり、恨み節は続いていたらしい。
相変わらず、嘘が下手だ。

(No.232-2へ続く)

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