[No.228-2]塩おにぎり
No.228-2
「コンビニのおにぎりなんだけど」
優衣(ゆい)が、そのおにぎりの説明を始めた。
聞けば聞くほど、確信して行った。
「それって、2個入りでおかずがちょっと入ってるやつ?」
「そうそう!ゴマがまぶしてあって」
やはりそうだった。
それは単なる塩おにぎりで、具は入っていない。
言った通り、おかずが申し訳ない程度に添えられている。
「お米が美味しいよな!」
もともと、それを口にしたのには理由があった。
「理由?」
「本当は具が焼肉とかのおにぎりが好きなんだけど・・・」
「・・・ダイエット?」
当時、太り気味だったため、仕方なく・・・が、本音だった。
「だからビックリした!美味しくて」
「私もそうよ、そんなに期待してなかったもん」
それにしても、話が合う。
それも、かなり限定的な部分で・・・。
「なんか、食べたくなってきたな」
「そうね、でもまだ売ってるの?」
二人で塩おにぎりを求めて、コンビニを探索することになった。
「それにしても、食の好みは人の好みにも通ずる・・・かもな」
(No.228完)
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