[No.228-1]塩おにぎり
No.228-1
登場人物
=牽引役(男性)=相手(女性)
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優衣(ゆい)とは前から食の好みが合う、と感じていた。
「・・・でも、店によってソフトクリームなんだよな」
話の発端は、マズイたこ焼きを食べた経験談だった。
それが、どんどんと話が狭く、深くなって行った。
「そうなの?どこも黄色いシャーベット状のアイスだと思ってた」
「その黄色い方が好きなんだけどな」
なぜか、クリームソーダの“具”の話になっていた。
「でね・・・中に氷った部分があって、シャリシャリ・・・」
優衣が今食べているかのごとく、具体的に話しを始めた。
逆に細かすぎると、知らない人には伝わらない場合もあるが・・・。
「伝わるかな~?」
「俺もそこが好きだぞ!」
話を適当に合わせているわけではない。
たまたまピンポイントで、好きな部分が合致しているだけだ。
「だよね!あのシャリシャリ感がたまらないのよね!」
しばらく、好きな食べ物の話で盛り上がった。
話せば話すほど、食の好みが似ている。
「そう言えば、美味しいおにぎり屋さんがあってな・・・」
帰省した時に必ず立ち寄る店の話をした。
おにぎりは冷えた方が美味しい・・・それが二人の結論でもあった。
「やっぱり、そうだよね!じゃ、あれ知ってる?」
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