[No.226-1]振り返る
No.226-1
登場人物=牽引役(女性)
=相手(女性)
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「・・・どうかしたの?」
友人が間髪入れず、話し掛けてきた。
「ううん、なんでもない・・・」
「元彼とでも、すれ違ったような顔してるわよ」
当たらずといえど遠からずだ。
確かに言う通り、すれ違った人を振り返り、目で追った。
ただ、似ている人とすれ違ったわけではない。
「じゃ、単なるイケメンが居たの?」
友人にとっては、イケメンも“単なる・・・“という冠が付く。
どれだけ、高飛車なんだろうか。
「私好みなら、追いかけてるわよ!」
まじめに答えるのもバカバカしい。
そのため、多少嘘っぽく、ユーモラスに答えた。
「それなら追いかけてみようか?」
「私の場合なら、向こうが振り返って、追いかけてくるね」
話が友人中心に進んで行く。
話だけでなく、世の中も自分中心・・・と言わんばかりだ。
「世の中?そんな大それたこと考えてないよ」
「私の場合、男性の・・・」
「ちょっとぉ、私の話の続きしてよ」
「なんだっけ?」
高飛車に加え、少し天然が入っている。
だからこそ、憎めない性格なのかも知れない。
「まったく、もぉ・・・私が振り返ったわけよ」
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