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[No.224-1]落としたメモリー

No.224-1

登場人物
=牽引役(男性) =相手(女性)
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(これは・・・?)

予期せぬ落し物を拾った。
ただ、他人の家に落ちていたものだ。
単純に、散らかっているだけかもしれない。

「どうしたの?」

きっと僕が、不思議そうな顔をしたせいだろう。
実由(みゆ)が声を掛けてきた。
でも、それには答えず、大急ぎでカバンの中を確認した。

「・・・だよな!」
「ひとりで納得しないでよね」

実由の家に遊びにきた。
それから、数時間経過した時だった。

「これ、実由のか?」
「あっ!それ・・・」

今度は実由が自分のカバンの中を確認する。

「・・・やっぱり・・・それ、わたしの」

ようやく結論が出た。

「ごそごそしてた時、落としたみたい」

そう言えば、少し前にケータイをカバンから取り出していた。
その時だろうか。

「でも、なんで自分のカバンの中を確認したの?」
「これだよ、これ」

拾った物と、自分のカバンに入っていたものを並べて見せた。

「同じ・・・よね?」
「正確に言えば、ほら・・・僕のはロゴが入っている」

偶然とはこんなことを言うのであろう。
僕が持っているUSBメモリーが、拾った物と同じだった。

(No.224-2へ続く)

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