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[No.221-1]同居

No.221-1

登場人物
=牽引役(男性) =相手(女性)
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「そろそろだろ?」
「うん、来週だよ」

春(はる)が一人暮らしを解消して自宅に戻る。
・・・とは言っても、もともとお互いの距離は目と鼻の先らしい。

「気分はどう?」
「正直・・・やや不安かな?」

春が一人暮らしをしていることは、初めから知っていた。
ただ、一人暮らしを始めた理由は後から知った。

「そうだね・・・気まずさもあるだろうし」

不仲までとは行かないものの、それに近い関係があった。
そう春が話してくれたことがあった。。

「まぁ、緊急避難だったからね」

無断で家を飛び出したわけでない。
ある意味、母親と合意の上の一人暮らしだ。
だからこそ、お互い手の届く範囲に居たとも言える。

「成長したし・・・私も」

一人暮らしを始めたのは高校の時だと聞いた。
春に限らず、親子の衝突があっても不思議ではない年頃だ。
その結果が少し極端に出ただけだ。

「色々、あっただろ?」
「そうね・・・だから戻ろうと思ったの」

人は成長するに連れ、わだかまりが取れて行く。
短い会話の中に、色々な想いが詰まっているように感じた。

(No.221-2へ続く)

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