[No.220-2]苦しい言い訳
No.220-2
「理由?・・・それで見つかったん?」
「あぁ・・・だから、こうしてぶら下げてるんだけど」
・・・とは言っても大した理由ではない。
とにかく、自分が納得できればそれで良かった。
「この流れなら、理由を聞かんわけにはいけへんな」
「厄年って知ってる・・・よな?」
「目の前の人が、まさにそうやろ?」
(あれ?・・・俺、しゃべったことあったっけ?)
確かに俺は厄年だ。
それも後厄で、人によっては本厄より怖いと言う人もいる。
「せいじゅうろうと厄年か・・・関係が全然想像でけへん」
つまり、せいじゅうろうを厄除けに使った。
「お札代わり?」
「そうだよ」
「効き目なさそうやん!」
効き目以前に・・・あのダラダラぶりはまるで説得力もない。
「でも、理由をよく思い付いたやん」
実はその苦しい理由に、更に理由がある。
ほとんど言い訳に近いが・・・。
「“厄除けに効果がある物”をネットで調べたら・・・」
「自分の場合、リラックマ・・・だったという設定なんだ」
ある意味、“仕方なく付けている”感をアピールしている。
でも、別の意味では随分救われもした。
そう考えれば、厄除けの効果はあったのだろう。
(No.220完)
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