[No.220-1]苦しい言い訳
No.220-1 [No.07-1]せいじゅうろう
登場人物=牽引役(男性)
=相手(女性)
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ケータイにぶら下がる、せいじゅうろう・・・。
こいつをストラップにするには、実は大きな勇気が必要だった。
それは菜緒と出逢って間もない頃だった。
「俺も買おうかな」
早速、有言実行のため、ロフトのリラックマ売り場へ向かった。
(さて・・・どうしたものか・・・)
購入する時は贈り物だとか、適当に理由は付けられる。
ただ、それをぶら下げるとなると・・・。
「なに、ぼやっとしてんねん」
菜緒の声で我に返る。
「せいじゅうろうを見てたんやろ?」
「あ、ごめん・・・ちょっと昔のこと思い出してたんだ」
別に隠すことでもないし、そのことを話した。
大の大人が、それも男がリラックマをぶら下げる。
同性はもちろん、異性にだってどう思われるか分からない。
「一言で言えば、キモくない?」
「うちは、今でもええと思ってるよ」
言葉通り、菜緒さえ喜んでくれればそれで良かった。
だから、逢う時だけ、ぶら下げるという手もあった。
「それだと家に忘れたりするし、それに気持ちの上でも・・・な」
「気持ちの上?」
「菜緒と同じように、いつもぶら下げていたいし」
とにかく、何か理由が必要だった。
ぶら下げても、それが当然のような理由が・・・。
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