[No.217-1]変えない理由
No.217-1
登場人物
=牽引役(女性 ) =相手(女性)
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「さっきからメール、多くない?」
一応、マナーモードにはしている。
でも、テーブルの上では振動音が結構すごい。
「彼氏から?」
「もぉ!彼が居ないこと知ってて言うんだから」
誰から来たのか確認しなくても検討は付いている。
彼氏でもなく、友達でもない。
「両親?」
「迷惑メールよ・・・文字通り迷惑なメール」
いつの頃からか迷惑メールが来るようになった。
最近は特にひどい。
「メールフィルターとかは?」
それなりに対応はしている。
けど、きりがないのも事実だ。
「じゃ、メアドを変更すれば?」
「うん・・・そうしたいんだけど・・・」
メアドを変えてしまえば、それこそスッキリ解決する。
「そう出来ない理由がありそうね」
「そんなとこはよく気付くわね」
友人の言う通り、変えられない理由がある。
「皆に連絡するのが面倒だから?」
「それもあるかもしれな・・・」
言い終わる前に、友人の目がキラリと光る。
「はは~ん・・・」
「な、なによ・・・」
「来るはずのないメールを待つためでしょ?」
微妙に違う。
どちらかと言えば、来るかもしれないメールを待ってる。
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