« [No.216-1]見返り美人 | トップページ | [No.217-1]変えない理由 »

[No.216-2]見返り美人

No.216-2

プレゼントとかなら、まだマシなのかもしれない。
私はいつしか“心”の見返りを求めていた。

「何につけても、反応が欲しくなったの」

そう思うようになってからは、自然なままではいられなくなった。
それどころか、おかしな考えさえ、生まれてきた。

「おかしな考え?」
「・・・どうして私の想いに応えてくれないの!・・・ってね」

電話やメールの内容も変わって行った。

「でも、恋愛なんてそんなものじゃない?」

助け舟・・・と言う感じではない。
友人の顔を見えれば分かる。

「私も・・・と言うより、多少あるんじゃない・・・そんなところ」

何がどうあるのか、肝心な部分には言及していない。
でも、その掴みどころがない表現が、今は妙にしっくりくる。

「それでね、自分が嫌になっちゃって」

そうなると、素直に彼とは逢えない。
自分の行動に自信がないからだ。

「逢えば逢うほど、迷惑を掛けそうで・・・」
「それだけ、想いが強いってこと!・・・それでいいじゃない」
「見返り美人になればいいのよ」

なんとなく、分かったようで、わからない表現だ。

「それって、見返りは求めるの?」

素直に聞いてしまった。

「もちろんよ!でも、返せばいい・・・彼より多くの愛情を」

(No.216完)

読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
ブログランキングへ ブログランキングへ web拍手 by FC2

| |

« [No.216-1]見返り美人 | トップページ | [No.217-1]変えない理由 »

(009)小説No.201~225」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: [No.216-2]見返り美人:

« [No.216-1]見返り美人 | トップページ | [No.217-1]変えない理由 »