[No.216-1]見返り美人
No.216-1
登場人物=牽引役(女性 )
=相手(女性)
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いつしか彼と素直に逢えなくなった。
そんな自分が嫌になっていた。
「見返りブス?」
友人がキョトンとした顔をする。
無理もない・・・私もしゃべっている最中の思い付きだ。
「私には劣るけど、あなたもそこそこイケてるわよ」
図々しいにもほどがある。
(少なくても、あ・な・たよりはマシよ!)
話をややこしくするだけなので、心の声として叫んだ。
「私は言ったのは単なるブサイクじゃなくて」
「じゃ、複雑なの?」
他人からは、漫才のネタ合わせのように見えるかもしれない。
ノリが良すぎるのも考えものだ。
「・・・もう!最初から話すから」
彼と付き合い始めた頃、彼からプレゼントを貰った。
誕生日でもなく、記念日でもなかった。
「詳しい話は省略するけど・・・お礼の意味があったみたい」
彼の予期せぬ行動に正直、驚いた。
見返りなんて全く考えてもみなかったからだ。
「まぁ・・・いい話じゃない?」
「最初はね」
「最初・・・?」
それから、そんなことが、何度か続いた。
けど、彼が何かを狙った行動でないことは分かっていた。
それは私だって、見返りなんて・・・。
「それがね・・・いつしか・・・見返りを求め始めたの」
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