« [No.213-1]ORION | トップページ | ホタル通信 No.046 »

[No.213-2]ORION

No.213-2

♪泣いたのは・・・見せないことが・・・
  強い訳・・・君が・・・言っていたからだよ・・・♪

「へぇ~以外に上手いじゃん!」

説明するより先に、その部分を歌ってみせた。

「そうじゃなくて、歌詞に注目してよ」

何となく分かっているような感覚で聴いていた。
歌詞を目の間にしても、そうだった。

「ホントだ・・・聴いたあとに、あれ?って思う」

確かにそんな感じなんだ。
状況も歌詞も、言葉としては理解している。
でも、なんだかスッキリしない。

「先に結果を言ってから、さかのぼるように理由を話してる」

友人らしからぬ分析だった。
なるほど・・・そうかもしれない。
それに、その理由にさらに理由がある・・・そんな構成だ。

「考えている以上に、すごい歌詞かもしれないね」
「ねぇ、時間を巻き戻してみない?」

歌詞を逆から考えれば、はっきり見えてくるのかもしれない。

「そうね!」
「じゃ、始めるね」

朝、理解した内容を改めて口にしてみた。

『君が以前、言ってたよね
 “弱さを見せないからといっても強い訳じゃない”・・・と
 だから、僕は素直に泣いたんだ』

「・・・どうかな?」
「うん、いい線、行ってる・・・と、思うけど」
「・・・けど?」
「どうして、“僕”は泣いたのかな?」

学校帰りのカラオケBOXで、何度もオリオンを歌うはめになった。
A0050_000370

(No.213完)

読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
ブログランキングへ ブログランキングへ web拍手 by FC2

| |

« [No.213-1]ORION | トップページ | ホタル通信 No.046 »

(009)小説No.201~225」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: [No.213-2]ORION:

« [No.213-1]ORION | トップページ | ホタル通信 No.046 »