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[No.213-1]ORION

No.213-1

登場人物
=牽引役(女性 ) =相手(女性)
-------------------------------
(・・・あっ!)

思わず学校へ向かう足を止めた。

「わっ!」

友人の驚いた声と共に、背中に衝撃が走る。

「ちょっとぉ!・・・急に立ち止まらないでよ!」
「ご、ごめん!」

突然、あることを思い出した。
単に思い出したのではなく、“理解した”と言った方が正しい。

「急にどうしたの!?」
「歌詞の内容」

しゃべった私も友人も、なぜか放心状態に近い表情だ。
自分でも急な展開に、状況が上手く飲み込めていない。

「えっ!・・・なに?・・・お菓子が無いの?」

朝、混雑する駅のホームでの会話だ。
雑踏にまぎれて、ハッキリ聞き取れない。

「まずは、学校に行くよ!」

友人の手を引いて大急ぎで駅のホームを駆け抜けた。
私が原因で友人共々、遅刻するわけには行かない。

ようやく、雑踏から抜け出し後、改めて聞かれた。

「・・・で、美味しいスイーツの店ってどこ?」

短時間で、随分話がグレードアップしている。

「歌詞よ・・・歌詞!う・た・の・か・し!」

最近、ある歌を耳にしてから、繰り返し何度も聞いている。
その歌詞の一部に、引っ掛かる部分がある。

「その部分の前に、誰の、なんて歌なの?」
中島美嘉のORION(オリオン)よ」
「ん!?オニオン?」

どうしても食べ物に結び付けたいらしい。

(No.213-2へ続く)

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(009)小説No.201~225」カテゴリの記事

コメント

はじめまして。
中島美嘉さんの歌は好きなので、このお話を読んだ時も頭の中に歌が流れてくるような感じでした。他の話も読んで好きだと思う話が多かったのでまた読みに来ます。ありがとうございます。

投稿: ヒロ | 2010年11月 6日 (土) 21時58分

コメントありがとうございます。
自由気ままに書いていますが、ひとつでもふたつ
でも、好きな話があれば嬉しいです。
ORION・・・とても素敵な歌だと思います。
お気軽にいつでもお越しくださいネ

投稿: Re:ヒロさんへ | 2010年11月 7日 (日) 15時25分

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