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[No.210-2]記事を読む理由

No.210-2

僕が記事を読み続けている理由には、ふたつ前提がある。

ひとつは記事に出るであろう人とコンタクトできないこと。
もうひとつは・・・。

「その人は、本気なのかな?」

無理もない。
口にする人ほど実行はしない・・・と言う人もいる。

「それなら、僕も記事を見ないさ」
「そっか・・・これからも載らないことを祈るばかりね」
「ありがとう」

僕がお礼を言うのも変とは感じる。

「羨ましいなぁ・・・」
「おいおい・・・できればこんな想いはしたくないよ」

そうなんだ。
全く浮かれた話ではない。

「ごめん!そこまで思われてる彼女が羨ましい・・・かな、って」

僕がこの話をしたのは、晴菜(はるな)が最初で最後だ。

「なぜ、私だけに話してくれたの?」

正直、今でもその理由は分からない。

「私の時も心配してくれた?」

晴菜とも一時期、連絡が途絶えた時があった。
こうして再び出逢えたことが、話すきっかけになったかもしれない。

(No.210完)

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