[No.208-1]宇宙の果て
No.208-1
登場人物=牽引役(女性 )
=相手(女性)
=相手(女性)
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話の発端は、思い出せないことが多い。
気付けばそんな話になっている。
「・・・でさぁ、宇宙に果てはあるのかな?」
昼間から正面切って言われると、引いてしまう話題だ。
けど、飲み会の席なら、大丈夫なことが多い。
「私は、無いと思うな」
正面に座る恭子(きょうこ)が、真っ先に口を開く。
お酒の席では、熱い話やロマンティックな話が案外似合う。
「美穂(みほ)は?」
「わ、わたし?」
正直、考えたことがなかった。
逆に、普段そんなことを考えている方が、どうにかしている。
「別に・・・どっちでも・・・」
「もう!あんたみたいな人が居るから、地球が・・・」
恭子が地球環境のことについて、熱く語り始めた。
アルコールの勢いを借りて・・・とは、まさにこのことだろう。
それに、話が脱線するのも酒の席の特長かもしれない。
「わ、わかったから・・・果ては有ると思うよ」
「えー、以外ぃ」
何が以外なのか、さっぱり検討が付かない。
それよりも、宇宙に果てがあると考えるのには理由がある。
「宇宙人にさらわれて、果てを見せられたとか!?」
「あのねぇ・・・」
どちらかと言えば、恭子の方がさらわれた後っぽい。
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