[No.205-2]特別な関係
No.205-2
「バカね」
女友達から一蹴された。
「そんなの良くあるし、それにねぇ・・・」
「なんだ!よぉ・・・」
強がっては見たものの、語尾に力がない。
言われなくても答えは分かっている。
「まぁ、勘違いさせるつもりはないんだけどね」
まるで、自分のことのように話す。
同じ感性を持つからか・・・それとも・・・・。
「・・・女はみんなそうよ」
「男だって!・・・そうだよ」
男はそれを特別な存在と勘違いする。
彼氏に対して本気で悪口を言ったとしても、それはそれなんだ。
「それで、その人は彼氏と別れたの?」
「聞かなくても分かってるだろ」
美菜(みな)はそれからも彼氏と別れることはなかった。
逆に、僕との関係が遠のいて行った。
その時、初めて自分の思い込みに気付いた。
「余裕というか・・・特別風を吹かせていたのかもしれない」
「でもね、相談する人は選んだと思うわよ」
女性にとって特別ではなくても、男性にとっては特別な場合もある。
(No.205完)
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