[No.205-1]特別な関係
No.205-1
登場人物
=牽引役(男性 ) =相手(女性) =相手(女性)
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悪口は例え、他人のことであっても余り良い気はしない。
けど、場合により例外もある。
「ほんまに、最悪な男やで」
美菜(みな)がこの後も、延々悪口を言い続けた。
悪口を聞くのは、好きじゃない。
聞かされる苦痛より、悪口を言う人の格が下がるように思うからだ。
「そうなんだ、ひどいな・・・それで?」
いつもなら、途中で会話を遮ることもある。
でも、今回は逆に積極的に話しに乗ってしまう。
「そう思うやろ・・・ほかにもな・・・」
悪口の相手は美菜の彼氏だ。
考えようによっては、一種のノロケともとれる。
「そんなに嫌なら別れれば?」
間を飛ばして結論を言った。
「それもええな」
美菜の表情を見る限り、言葉に嘘はないと思う。
悪口自体も本気だろう。
この瞬間、あることが頭を過ぎる。
(彼氏に勝った・・・)
別に彼氏をライバル視しているわけではない。
それに、僕と美菜との関係は特別なものではない。
でも、悪口や愚痴を聞ける立場はある意味、特別なんだ。
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