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[No.204-2]背中越しの告白

No.204-2

「意識してたんじゃない?」
「ど、どうかなぁ・・・」
「嬉しいくせに!」

単に女子を乗せたからなのか、私だからなのかは分からない。
でも、確かにドキドキ音を感じた。
漫画やアニメの擬音として出てきそうなくらいの音だった。

「好きなんだから、ラッキーだと思わなきゃ!」

そうなんだ。
気分が悪くなったことは、言うまでもなくアンラッキーだ。
ただ、結果的にそれがキューピット役になった。

「キューピット?もう、そこまで妄想してるわけ?」
「いいじゃない!本当にそうなるかもしれないし」

言われるまでもなく、矢が放たれたわけではない。
まだ、何も始まってもいない・・・。
いや、何も始めなかった・・・と言うのが正しいのかもしれない。

「チャンスだったのにね」
「気分も悪かったし、それどころじゃ・・・」
「そんなの言い訳よ、私ならふたりでどこかへ逃避行ぉ!」

残念会のような後にもかかわらず、あいつと付き合うことになった。
あいついわく、あの時がきっかけだと言う。

「彼も好きだったんじゃないの・・・ドキドキ音を感じたでしょ?」
「そうかもしれないけど・・・」

実は、後から考えて心当たりがある。

「彼以上にドキドキしてたの私・・・」

私が鼓動で告白し、それを彼は鼓動で返してくれたんだ。

(No.204完)

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