[No.203-2]夕焼けの秘密
No.203-2
ソーラーと夕焼け・・・関連が全くないとは思えない。
ただ、どんな関係があると言うのだろうか。
「夕焼けって、なんで赤いか知ってる?」
「太陽があか・・・」
言いかけて気付いた。
感じ方は人それぞれあるだろうが、太陽はいつでも赤い。
「今、“赤い”って言いかけた?」
夏海(なつみ)が痛いところを突いてくる。
「ち、違うわよ」
ムキになるようなことでもないのに、思わず否定してしまった。
太陽がいつも赤いなら、昼間だって夕焼け空でもおかしくない。
「自分で矛盾に気付いたの!」
「まぁまぁ・・・でね、こういうことなの・・・」
夏海が解説し始めた。
「七色を・・・でね・・・空が・・・引き剥がす感じね」
夏海にしては分かりやすい話だ。
虹でもわかるように、太陽の光は正確には七色だ。
その七色の内、夕焼けは赤色が私達の目に届いていると言う。
「難しいことは抜きに空気と言うか・・・空が他の色をベリッ!と・・・」
「剥がしてるんでしょ?」
確かに、朝夕は昼間よりも通過する空気の層が長い。
「だから昼間だけは赤くならないんだ!」
「じゃあ、どうして空が青いか知ってる?」
この話の流れなら、なんとなく推測できる。
「それなら、ブルーな気持ちと同じような理由なのかな?」
(No.203完)
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