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[No.203-1]夕焼けの秘密

No.203-1

登場人物
=牽引役(女性 ) =相手(女性)
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「聞いてくれる?」

夏海(なつみ)がおもむろに問い掛けてきた。
なにやら、手にしたカタログらしき冊子が怪しい。

「何も買わないわよ」
「違うって!」

私の一言にすぐに気付き、その冊子らしきものを広げて見せた。

「エコに興味があったんだぁ」

どうやらそれはソーラー発電のカタログらしい。
確かに、今注目を浴びている。

「えっ?あっ、違うの!」
「自分から広げて見せておいて、それはないでしょ?」
「ごめん、興味あるのは間違いないけど」

どうも言ってることのつじつまが合わない。
でも、こちらから色々と質問するのもめんどうだ。
それに、そもそも夏海から問い掛けてきたこともある。

「そんなに、にらまないでよぉ・・・」

言葉ではなく、“表情”で今の心情を伝えた。

「説明するからさぁ」

予想通り、この方が話が進展する。

「ソーラーのこと、調べてたらね・・・」

夏海が説明を始めた。
ソーラーパネル・・・発電効率・・・日照時間・・・。
エコとは縁遠い私には、難解な言葉が続いた。

「・・・でね、夕焼け空なんだけど」

急に聞きなれた言葉が飛び込んできた。

(No.203-2へ続く)

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