[No.203-1]夕焼けの秘密
No.203-1
登場人物=牽引役(女性 )
=相手(女性)
-------------------------------
「聞いてくれる?」
夏海(なつみ)がおもむろに問い掛けてきた。
なにやら、手にしたカタログらしき冊子が怪しい。
「何も買わないわよ」
「違うって!」
私の一言にすぐに気付き、その冊子らしきものを広げて見せた。
「エコに興味があったんだぁ」
どうやらそれはソーラー発電のカタログらしい。
確かに、今注目を浴びている。
「えっ?あっ、違うの!」
「自分から広げて見せておいて、それはないでしょ?」
「ごめん、興味あるのは間違いないけど」
どうも言ってることのつじつまが合わない。
でも、こちらから色々と質問するのもめんどうだ。
それに、そもそも夏海から問い掛けてきたこともある。
「そんなに、にらまないでよぉ・・・」
言葉ではなく、“表情”で今の心情を伝えた。
「説明するからさぁ」
予想通り、この方が話が進展する。
「ソーラーのこと、調べてたらね・・・」
夏海が説明を始めた。
ソーラーパネル・・・発電効率・・・日照時間・・・。
エコとは縁遠い私には、難解な言葉が続いた。
「・・・でね、夕焼け空なんだけど」
急に聞きなれた言葉が飛び込んできた。
| 固定リンク | 0
「(009)小説No.201~225」カテゴリの記事
- [No.225-2]前にススメ!(2010.12.16)
- [No.225-1]前にススメ!(2010.12.15)
- [No.224-2]落としたメモリー(2010.12.14)
- [No.224-1]落としたメモリー(2010.12.12)
- [No.223-2]ブラジル(2010.12.09)
コメント