[No.202-1]第一印象
No.202-1
登場人物
=牽引役(男性) =相手(女性)
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何はともあれ、まずは第一印象が肝心だ。
(いや・・・“まず”ではなく・・・)
多分、これで全てが決まると言っても過言ではない。
「ドキドキするな・・・」
「そんなに緊張しなくても大丈夫だよ」
そう言われても、千夏(ちか)の家に初めてお邪魔する。
「受け入れてもらえるかな・・・」
「そんなに、おっかなくないよ」
以前、初対面の人とは馬が合わないと千夏から聞かされた。
自分では第一印象は悪くないと思っている。
事実、今までは上手く行っていた。
「今までは?そうなんだぁ・・・」
千夏がニヤリと笑う。
「そりゃ・・・過去には・・・あるだろ?」
「大丈夫よ、別に責めてないから」
まずは、怪しい雰囲気を出さないようにしたい。
そんな“独特の匂い”を嗅ぎ付けられる恐れがある。
人を見る目は、言うまでもなく確かだろう。
今までの会話からでも容易にそれを想像できる。
「とにかく、誠意を見せたらいいんじゃない?」
「でも、上っ面だけだと、見破られるわよ」
そうこう話しているうちに、千夏の家に到着した。
そして恐る恐る玄関の扉を開けた。
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