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[No.200-1]ホタルノヒカリ

No.200-1

登場人物
=牽引役(女性) =相手(女性)
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“ピュゥゥ~♪”

「やだぁ・・・変な音」

それはトイレの便座に座った時だった。
スラックスし過ぎたせいだろうか、鼻歌ならず鼻音が出てしまった。
口笛に似た音だったが、一言で言えば“なさけない音”だった。

「ピュゥゥ~って、なんなのよ!」

自分で自分にツッコミを入れた。
そう言えば、たまに似たようなことが起きる。
タメ息のつもりが、なんとも気の抜けた音が出たことがあった。
今回もそれに負けずとも劣らない変な音だ。

(・・・そういえば)

もうひとつ思い出したことがあった。

「ねぇ、ねぇ、聞いてくれる?」

翌日、友達と逢ったときに、あの話をした。

「ある、ある!それ私もあるぅ!」

予想に反して、友人が話にのって来た。
しかも、経験があると言う・・・。

「気合を入れた時に、出たこともあったよ」
「でも、なんだろうね」
「そうだよね!自分で自分を笑っちゃうような・・・」

人に笑われるのではなく、自分で自分を笑わしている感じだ。
それだけなのに、気持ちが明るくなる。

「この音って、スイッチみたい」

(No.200-2へ続く)

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