[No.199-1]環境が人を変える
No.199-1
『井の中の蛙、大海を知らず』
今思えば、まさしくこのことわざの通りだろう。
「今でも結構自信があるんだけどね」
最近、仕事の担当が変わった。
会社からは自身のスキルアップのためだと聞いた。
それ自体に嘘はないと思う。
「自信があるって、前に担当してた仕事のこと?」
「うーん・・・そうとも言えるけど、ちょっと違うかな」
前の仕事は結構長く担当した。
それもあり、その仕事に自信を持っているのは確かだ。
「それなら、何に自信があるの?」
同僚の千恵美が言うことも、もっともだ。
「モチベーションを保てる自信よ」
「・・・余計に分からなくなったかも・・・」
一から千恵子に話すことにした。
一般的に長く仕事を続けると、大抵の人はその仕事にたけてくる。
でもその反面、ある危険性と隣り合せだ。
「危険性?」
「そう・・・マンネリ化と言うか、落ち着いちゃうと言うか・・・」
現状に満足して、新しいことへチャレンジする姿勢が薄れる。
私はそんな人を大勢見てきた。
「そんなの、自分の気持ち次第で何とかなる・・・って思ってるの」
「じゃ、自信があるのは・・・」
千恵子が話をまとめた。
「・・・そう言うこと」
どんなにマンネリ化した状況でも、私自信はマンネリ化しない。
そんな自信があった。
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