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[No.197-2]スケジュール帳

No.197-2

「教えてくれないなら、いじわるな質問しちゃおうかな?」

同僚が何か気付いたような顔をしている。

「懐かしい・・・ってことは、過去形だよね?」

どうでもいいようなことには、めっぽう鼻がきく。
確かに過去形だ。
現に、その二文字はもう1年ほど書いてはいない。

「まぁ・・・そういうことだけど」
「多分、場所の名前でしょ?」
「どうして分かったの?・・・あっ!」

誘導尋問に引っ掛かったようになった。
それにしても、なぜ場所の名前と分かったんだろう。

(まぁ・・・そんなに選択肢もないしね)

小さなスペースに書き込む。
人の名前、時間、場所・・・内容は限られてくる。

「・・・もぉ!・・・悔しいけど、認めるわ・・・でも」
「どうして分かったかって?」
「時間なら懐かしめないでしょ?それに私なら名前を書くわ」

同僚は恋人を含めて、男友達との交友関係も広い。

「あなたは好きになったら一途でしょ?」

なるほど・・・相手が一人なら待ち合わせ場所でこと足りる・・・か。

(No.197完)

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