« [No.196-2]学習効果 | トップページ | [No.197-2]スケジュール帳 »

[No.197-1]スケジュール帳

No.197-1

「懐かしいな・・・」
「・・・なに想い出にふけっているのよ・・・」

気付かない内に、口にしていたらしい。
同僚から言われて、現実に戻る。

「あっ!何でもない、何でも・・・」
「スケジュール帳を見て、懐かしめるなんて、どうなの?」

しっかり聞かれていたらしい。
愛用のシステム手帳を定期的にメンテナンスする。
過ぎたスケジュールは、リファイルして保存するのが習慣だ。

「以前のスケジュールを見てたのよ」
「それだけで懐かしめるの?ある意味羨ましいけど・・・」

スケジュール帳は仕事用だ。
併せて言うなら、プライベートでは手帳は使わない。
ただ、まれにスケジュール帳に私的な内容を書く時がある。

「何が書いてあるわけ?人の名前とか?」
「それは秘密・・・」

それ自体、教えた所で何も問題はない。
スケジュール帳の所々に青い文字で、あることが書かれている。
でも、その書き込みはある時を境に途絶えている。

(京橋・・・か・・・)

今度は口にしないように、意識して心の中でつぶやいた。
主に火曜日に、その文字が書かれていた。

(No.197-2へ続く)

| |

« [No.196-2]学習効果 | トップページ | [No.197-2]スケジュール帳 »

(008)小説No.176~200」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: [No.197-1]スケジュール帳:

« [No.196-2]学習効果 | トップページ | [No.197-2]スケジュール帳 »