[No.195-2]二度目の出逢い
No.195-2
自分の中では、これは二度目の出逢いだ。
「じゃあ、何だろう・・・」
「答えゆっていい?」
実は答えはもう言ってある。
なのに、どうして気付かないのだろうか・・・。
「あっ!そうか」
気付いたのは僕の方だった。
彼女が気付かない理由を僕が気付いた。
「自分にとっては普通のことだもんな」
僕には特別に聞こえても、彼女はいつもと変わらない。
「あぁ!」
彼女もようやく気付いたようだ。
「・・・だろ?」
「うん、“ゆう”って言葉ね」
彼女は“言う”を“ゆう”と表現する。
それが何とも心地よく聞こえる。
「二度目の出逢いなんだよ」
「・・・とゆうことは、最初に出逢った言葉もあるんだよね?」
「ゆって欲しい?」
「ゆって!ゆって!」
ちょっとした、“ゆって合戦”になった。
(No.195完)
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