[No.191-2]彼女の友達
No.191-2
僕と彼女、そしてその友達とやがて付き合うことになる。
それに至るまでの過程が当時の流行歌と同じになった。
僕を友達に会わせたことを彼女が悔やむ・・・そんな歌詞だ。
「結局、全てダメになったけどね」
「当然でしょ」
ただ、関係がバレたとか、いわゆる修羅場はなかった。
結果的に僕が“普通”に振られた。
「まぁ、それなら・・・自慢話とは言い難くなるね」
二人に好意を持たれたけど、その二人に振られた。
だから、自慢話にしないんじゃない。
「本当はね、女友達のことがずっと好きだったんだ」
「・・・中学の?」
二股の二人と上手く行くはずがない。
彼女達は仲良し三人組で、そのひとりが女友達だ。
「本命とは付き合えなかった・・・・か」
「青春とはそんなもんさ」
こんな時、青春と言う言葉はありがたい。
色々な想いを一言で包み込んでくれる。
「本命とは進展なしだったの?」
「何もなかった・・・ってことが武勇伝さ」
結局、気持ちは伝えなかった。
いや・・・伝えない方が良かったんだ。
「自慢話よ、やっぱり」
「でも、その勇気は武勇伝に値するわね」
(No.191完)
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