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[No.191-1]彼女の友達

No.191-1

流行歌の歌詞と同じになった。
当時はそんな感覚しか持ち合わせていなかった。

「もてたこと、自慢したいわけ?」
「そんなんじゃないけど・・・」

高校の時、中学時代の女友達からひとりの女の子を紹介された。
通学途中に見かけ、好意を持ってくれたらしい。
特に断る理由もなく、僕たちは付き合い始めた。

「良く言えば二股できるほど、もてたってことよね?」

さとみとの会話中、つい口がすべった。
・・・・とは言え、たかが学生時代の恋の話だ。

「だから、違うって!」

羽振りの良い話に聞こえる。
でも、自慢話のつもりで話したんじゃない。

「じゃあ、何が違うのよ?」
「武勇伝だよ」
「武勇伝?ひどいわね、二股を武勇伝にするなんて!」

確かにひどい話だ。
僕は付き合い始めた彼女の友達とも付き合いだした。
正確に言えばその友達も僕に好意を持ってくれていた。

「・・・武勇伝だって色々あるだろ?」

言葉の使い方は間違っているのかもしれない。
けど、本当に自慢するための武勇伝ではない。

「だったら最後まで話したらどう?」

(No.191-2へ続く)

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