[No.179-1]確実な一品
No.179-1
「何かあった?」
里美(さとみ)を見てると、つい聞いてみたくなった。
もちろん、良い意味でだ。
「なんで?」
「なんか・・・幸せそうに見えるけど?」
お互い疑問符が付く会話が続いた。
最近、里美の表情が明るくなった。
直接的な意味ではない。
全体的に雰囲気が変わった・・・と言った方が良い。
「いいこと、あったんよ」
「いいこと?」
良いことなら、聞いても差し支えないだろう。
いや・・・むしろ聞くべきだ。
「聞きたいなぁ」
里美が楽しそうにしゃべり始めた。
話を要約すると、最近、何かを手に入れたらしい。
「その代償は大きかったけどな」
(代償・・・?)
相当、高価なものらしい。
そうなると価格も気になるが、そもそも何を手に入れたか・・・だ。
「それって・・・」
「確実な一品!ってとこやね」
「確実な・・・ねぇ・・・」
匠の技が生かされた、とんでもない一品を想像してしまう。
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