[No.176-2]あなたのマネ
No.176-2
数日前、大雨が降った・・・その時のメールだった。
「読んでみてよ」
菜緒にメールを見せる。
「雨の日は気分が乗りませんぜ・・・・」
「続きも読んで」
「・・・早く、晴れたらいいですな」
訛りや方言と言うより、時代劇調と言えば良いのだろうか。
けど、菜緒にそんな趣味があったとは聞いていない。
「これって、何の影響だよ?」
少なくとも、内から湧いてきたものではないだろう。
それに、どこかで聞いたのではなく“目にした”ような気がする。
「・・・なんやろか」
隠している様子はない。
知らず知らずの内に、使っているようだった。
本当に知らないなら、興味本位で聞くのは止めた方がいいだろう。
「いいよ・・・謎は謎のままで」
「せやかて、うちも不思議やわ」
こういったことは、ひょんなことから解決するものだ。
菜緒もまだ自分自身で納得していない顔をしている。
「じゃ、せいじゅうろうに聞けば?」
「せやった!」
菜緒の一人芝居が始まった。
「その答えは謎ですな」
お前か・・・・犯人は・・・・。
(No.176完)
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