[No.176-1]あなたのマネ
No.176-1 [No.07-1]せいじゅうろう
いつだったろうか・・・あることに気付いた。
「菜緒・・・最近、変じゃない?」
「最近じゃなくても、もともと変やけど」
こうも正面切って言われると、逆にこちらが口ごもってしまう。
「いや・・・その“変”じゃなくて・・・」
「じゃ、どの“へん”なんやろか」
誤解を広げないためにも、一から説明することにした。
「話し方、変じゃない?」
「話し方?」
「うん、特に文字にしたら・・・メールとか」
文字になった時、独特の訛(なま)りが出ている。
「うち、そんなに訛ってはる?」
菜緒が大阪弁と言うか関西弁なのは承知している。
最近どころか、知り合ってからずっとそうだからだ。
けど、いつの頃からか、それとは違う訛りが出てくるようになった。
「訛りじゃなくて、なんて言ったらいいのかな」
訛り・・・方言・・・なにかしっくりこない。
極端に言えば、日本語的にアウトのような言葉もあった。
「そうだ!メール、メール・・・・」
数日前に菜緒から送られてきたメールを探した。
「あったぁ!語尾をよく見て」
改めて見ると、確かに独特の表現になっているのが分かる。
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