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ホタル通信 No.028

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.46 誰にも染まらずに
実話度:★★★★☆(80%)
語り手:女性

最後のハガキの一節は創作になりますが、小説に登場する私の姿はほぼ事実です。

「誰にも染まらずに」と言う言葉自体は、ごく一般的な表現ですが単純にそのままの意味ではありません。
レベッカの「Virginity(ヴァージニティー)」という歌の歌詞に「誰にも・・・」のフレーズが登場します。
歌詞の中には、「君(女性)」と「君」と呼んでいる恐らく男性が登場しています。その男性が歌の中で「誰にも染まらずに自由に飛んで行けよ」と・・・
歌詞全体もそうですが、特にこの部分に思い入れがあり、タイトルに決定しました。

現実の「君(私)」も歌詞と同じように「誰にも染まらなくていい」と、言葉こそなかったけど、そんなことを感じさせる人が居ました。
男性に依存することで、生き抜いてきた。それは異性からも同性からも理解させず、私の生きる場所はどこにもありませんでした。

現実の彼は、私の自立を促してくれました。けど、そう簡単に変われないのも現実でした。彼と言っても付き合っているわけでもない微妙な関係の男性です。
「助けてくれるなら、誰でもいい・・・」私のこの発言を機にふたりの関係は遠のいて行ったような気がします。
彼が最後に言ってくれました。「誰にも染まらずに生きて行って欲しい」と。その“誰にも”の中には“彼”も含まれていました。

ラストシーンはそんな彼の言葉を代弁する形で創作してみました。
白紙のハガキ、ふたりの距離・・・
初期の作品に見られがちな重いムードの話ですが、こんな話の時こそ、一種の応援歌として書かせて頂いてます。
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