« ホタル通信 No.024 | トップページ | [No.170-2]窓に映る私 »

[No.170-1]窓に映る私

No.170-1

「ちょっと心理テストしてみない?」
「いきなり何よ」
「ほら、今度、パーティがあるじゃない」

麻貴(まき)曰く、異業種交流パーティの作戦会議らしい。
会場のどこの席に座るかで、様々な心境が分かるという。

「ちなみに、そのテストは公式なもの?」
「ううん、麻貴プレゼンツだよ」

(話半分・・に聞いておこう)

麻貴がいくつか場所を挙げた。
カウンター、窓際、中央、そして小上がり。

「私はカウンターかな」

麻貴のカウンセリングを待たずとも、だいたい予想できる。
カウンターに座るのは、ズバリ社交的な人のはずだ。

「えー意外!」
(違う・・・の?)
「瑤子(ようこ)は男性を寄せ付けないタイプね」
「なんでよ?」

カウンター越しには店の人など、第三者が居る。
だとすれば、男性も口説きにくいはずだ。
そのことを言っているらしい。

「まぁ・・・そうね」

意外に納得できる答えだ。

「窓際も好きよ」

カウンターも好きだけど、窓際も捨てがたい。
それに、これも予想が付く。
以前、似たような心理テストを経験したことがあった。
自分に対する興味が分かる・・・そんな場所だ。

「へぇー、これまた意外!」

何が意外だと言うのか・・・答えが怖い。

(No.170-2へ続く)

| |

« ホタル通信 No.024 | トップページ | [No.170-2]窓に映る私 »

(007)小説No.151~175」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: [No.170-1]窓に映る私:

« ホタル通信 No.024 | トップページ | [No.170-2]窓に映る私 »