[No.160-2]空と私
No.160-2
「でも、これからそんな季節よ?」
「そうね・・・」
言う通り、これから青空が眩しくなる季節だ。
人も街も活気付く。
「・・・もぉ・・・クールと言うか・・・相変わらずね」
「知ってるでしょ?私の性格」
こんな私に付き合ってくれる友人には感謝している。
「ねぇ、星って暗くならないと見えないじゃない?」
「何よ、急に」
何かを伝えようとしていることは分かっている。
それを素直に聞けないだけだ。
「“かげ”だってそう・・・その時にしか見えないものがある」
「そうなのかな」
「ほら、今だって!」
友人が私の影を指差した。
私の影・・・左胸の辺りがキラキラ光っていた。
「あっ・・・これ・・・なの?」
胸に付けているハートのブローチが光っていた。
(No.160完)
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