[No.159-1]幸せを引寄せて
No.159-1
「さっきから、なにモゴモゴして・・・」
「・・・どうも、しっくりこなくて」
何気なく右手で荷物を持ってみた。
「右利きでしょ?」
「そうなんだけど、荷物は左手で持つんだ」
そう考えると不思議だ。
傘を差している時も、左手でそれを持っている。
右手で持つと、やはり違和感を感じていた。
「由宇(ゆう)も、あるだろ?」
「わたし?そうね・・・考えとく」
「その前に、とりあえず左手で持てば?」
由宇の言う通り、いつも通り左手で持ってみる。
やはり、しっくりくる。
「へんな人ねぇ・・・最初からそうすればいいじゃん」
「おいおい、それはないだろ?」
左手だけでは持ちきれないほどの荷物がある。
それは全て由宇が買ったものだ。
「男なんだから、泣き言いわないのぉ!」
「どんな、論理だよ・・・全く」
それにしても・・・他にはどんな時に違和感を感じるのだろう。
今は思い付かないけど・・・。
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