« [No.156-1]季節限定商品 | トップページ | [No.157-1]いつものアレ »

[No.156-2]季節限定商品

No.156-2

「着いたわよ」

茜(あかね)とある場所へ向かった 。
初めて訪れた場所だが、知った場所だった。

「これって・・・メールもらった桜だよな?」

枝の形が特徴的で、印象に残っている。
それより気になるのは、茜が何も買い物をしていないことだ。
・・・と言うことは、この場所で何か売っていることになる。

「限定商品って、屋台で売ってるとか?」

周辺には祭りで定番の屋台が並んでいる。

「違うよ」
「なら、買ってきたの?」
「それなら、わざわざここに来る必要はないでしょ?」

その通りだ。
だが、屋台以外に商売をしている雰囲気はない。

(まさか、手売りしにくる・・・とか?)

「あ・・・そろそろ来るわよ」

その時、だった。
強めの風が僕たちの間をすり抜けた。

「ほら、桜の花びら・・・今、だけよ」

なるほど、桜入りの風か・・・季節限定・・・上手いこと言う。

(No.156完)

読み終えたら、クリックして頂けると、励みになります。
ブログランキングへ ブログランキングへ web拍手

| |

« [No.156-1]季節限定商品 | トップページ | [No.157-1]いつものアレ »

(007)小説No.151~175」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: [No.156-2]季節限定商品:

« [No.156-1]季節限定商品 | トップページ | [No.157-1]いつものアレ »