[No.155-2]思い付きな名前
No.155-2
「そうなんだ・・・」
何となく、訳ありのような気もする。
即答されたことを、逆に答えを用意してあったように感じてしまう。
「別に好きだった人の名前じゃないし」
(・・・だった、かぁ)
「現在、す・き・なぁぁ、人でもないよ」
さっきからバレバレのようだ。
よほど俺は顔に出るタイプらしい。
とにかく、現在進行形で好きな人が居るわけでもないようだ。
「そや!写真あるで」
そう言えば、実物を一度見た限り、その後見ていない。
「ほい!これがケロ祐一ですな」
微妙に日本語がおかしいけど気にしない。
「あれ・・・?これ・・・」
ケロ祐一が布団で寝ている。
これはこれで突っ込む所だが、それよりも・・・。
「これって、俺のお土産?」
「うん、以前もらったロイズのポテチチョコやで」
それを差し出す菜緒の左手も写っていた。
「いっしょに?」
「ひとりで食べてもつまらへんし」
“祐一”は本当に思い付きらしい・・・そんな気がした。
(No.155完)
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